2022年4月10日日曜日

中古HDDからの情報流出の仕方なさ

中古HDDから情報流出したという話は枚挙にいとまがない。

試しに某町の某ショップでぞんざいな扱いをされている以下にも安いHDDを買ってみた。

当然のように復元ファイルでファイルが出てくる。(初期化して転売した)


なんでこんなに騒がれているのにこんな状態が維持されているのか?

考えられる原因を列挙するが、結論として「仕方ない」と思う。

  1. コンピューター音痴にはハードルが高すぎる
  2. 復元不可能な状態にするのに手間も電気も食いすぎる
  3. HDDの単価が低すぎて正規化するとビジネスが成り立たない
  4. 規制がない

まず、手放す人にどうにかしろというのは無理。スマホもろくに使えない、電源ケーブルが抜けているのになぜかPCが起動しない!とかいう人がいるんだから。

復元不可能な状態に初期化するのに10時間とか掛かってしまう。その際にHDDはフル稼働するので、電気もバリバリ食う(といっても数円だが)。ここもハードルが高い。特殊な装置でほぼ全自動で何台も続けて初期化できればいいが、それはそれで装置が高そうだ。個人向けで初期化可能なものもあるが、2台しか繋げられなかったり手間の削減という面ではまだまだ足りない。

そもそも中古HDDの価格は非常に低い。これは技術が進歩して、年々容量単価が下がっていること、HDDが消耗品であり、5~10年くらいで大体壊れることに由来する。古いHDDにそれほどの価値はないわけだ。

そんな価値の低いものに手間暇掛けて初期化して売っても、初期化せずに売っているものが多数ある状況では競争に負けてしまう。しかも初期化しなかったとしても規制がないので罰せられるわけではない。

きちんと初期化するとうたっている企業に頼んでリスク回避をするような企業であればいいのだが、そうでない中小の企業や個人は山ほどいる。

ということで、現状、解決が難しい問題だと思われる。法律・監査でもできれば別だが。


ちなみに、この問題はあと5年もすればほぼ解消される見込みだ。というのもSSDは簡易に工場出荷時の状態に戻すことが出来る機能が備わっているからだ。HDDは素人のデータ保管手段ではなくなれば、現状存在するデータ流出の問題は多くなくなることだろう。


※データを全て暗号化して保持するような対策をとっている会社も多く存在する。

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